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一番嫌なものの中に、自分を最も解放するものがある~ある高校教師の体験~

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.273


Introduction

人間は、抵抗感を抱くものから遠ざかろうとします。嫌なもの、見たくないものから、目を背けたり、なんとかしようとしたりします。しかし、実は一番嫌なものの中に、自分を最も解放するものがあるのです。

これからご紹介する実証例は、ある高校教師(Iさん 40代 女性 沖縄県)の体験です。クラスの問題児、息子の問題行動、到底受け入れられない彼らに感じる抵抗感をミロスシステムで紐解いた時、そこに見えてきたものは何か?彼女の体験に基づき、内面の葛藤を終わらせ自分が解放されていくことで、自分と関わる相手も、状況も、変わっていくことをお伝えします。

『一番嫌なものの中に、自分を最も解放するものがある~ある高校教師の体験~』

クラスの問題児の男子生徒

Iさんが担任するクラスには、学年でも問題児の男子生徒がいました。事あるごとに騒ぎを起こし、指導をしても反省する様子もなく、反抗的な態度は日に日にエスカレートしていきました。
学校をさぼったり、休んだりする日も増え、ついには「学校をやめたい」と言い出したのです。

普段の彼の様子を見ていれば、学校をやめると言い出しても不思議ではありませんでした。

「いろんな事を先生たちに決められて、やりたくないことをやるのはもう嫌だ!」

と訴える彼に、Iさんも、高校は義務教育ではなく、本人次第。学校をやめることに良いも悪いもないのだから…と思っていました。

しかし、それは本音を隠した自分に対する体裁の良い言い訳で、本当は「この子さえいなければ、私のクラスは穏やかなのに…」と思っていました。

まさか自分の息子も!?

彼女はミロスシステムを学び、“相手に感じるものは自分の無意識”であり、その無意識が引き合った関係性に人間は翻弄されていることを知っていましたが、男子生徒のあまりにも反抗的な態度や、彼に噴き出す自分の感情に振り回されていました。

そして、男子生徒の件でゴタゴタしていたところに、デジャブを見るような出来事が起こるのです。

突然、息子の担任から電話があり、息子が無届欠席や遅刻をしていること。2学期に入ってから元気がないことを聞かされます。まさかの話に、一気に不安が押し寄せてきました。

その日の夜、Iさんは、息子に学校のことを尋ねると、しばらくの間、彼は躊躇していましたが、自分の今の気持ちを正直に話し出しました。

「学校をやめたい。通信か何かで高卒認定試験を受けて大学に行きたい」
「僕は、もう意味のないことはやりたくないんだ」

青天の霹靂のように切り出された息子の発言に、Iさんは言葉を失ってしまいます。しかし、彼女の脳裏に、まるで再現フィルムのように、あの男子生徒のセリフが浮かんできたのです。

「学校をやめたい」
「やりたくないことをやるのは嫌だ」

Iさんは、同じセリフを繰り返し聞いていることに違和感を持ちますが、息子の大問題にかき消されてしまいました。そして、その晩、夫と一緒に息子を必死に説得しようとしましたが、逆に息子は心を閉ざしてしまいました。その日から、息子とは互いに目を合わさず、恐る恐る接するような日が続いていたのです。

この状況を生み出しているのは?

そんななか、ミロスのカリキュラムに参加したIさんは、ミロスシステムに出合ってからの自分の変化と、それに伴い変わっていった家庭や学校の様子を振り返り、すでに自分には世の中を変える力が宿っており、その力を使えるようになっている自分に、大きな可能性を感じたのです。

そして、いま自分の目の前に起きている問題をミロスで紐解くと、この状況を生み出している内面意識が見えてきました。

「もう意味のないことはしたくない!」

それは、Iさん自身の心の叫びでした。男子生徒や息子を通して、自分の無意識に気づくまで、繰り返し同じシーンを見ていたことに彼女はハッとしました。

本当は何がしたいのかわからないまま、仕事に忙殺され、その日常を優先し、自分の声を聴かずにいた自分。無意識に他人の評価ばかり気にしている中身のない生き方を、まだやめられないでいた自分が見えました。

そして、息子や男子生徒の言葉や、彼らに感じる抵抗感を通して、自分の内面の葛藤を知っていくことで、それが生み出した無意味な生き方をリセットしていったのです。

問題を解決する最速の方法

実践するなかでIさんは、目の前のものを問題視し、正そうとするのではなく、そこに強い抵抗感を示している自分の内面意識を観ることが最も優先すべきことであり、そうすることが問題を解決する最速の方法であることを体感していきました。

息子が学校へ行こうが行くまいが気にならなくなり、自分が本当に価値のある生き方を見出していくことで、息子も自ずと自分の意思で生きるようになることもわかりました。

すると、息子は「学校をやめたい」と言わなくなり、本当に毎日いきいきと学校へ通うようになりました。男子生徒も、クラスが楽しいと話すようになりました。かといって、彼の反抗心は完全に消えたわけではなく、まだやんちゃもするそうですが、以前のように振り回されることはなくなりました。

なぜなら、どんな事態でも、どんなに複雑な事でも、ミロスという非常にシンプルなシステムにあてはめるだけで、するすると解けていくからです。

そして、彼女が内面の葛藤から解放されると同時に、彼女に関わる人たちも、いろんなものから解放されていき、もう誰かと戦うことも、何かを犠牲にすることもなくなっていくのです。

教育者という立場から

ミロスに出合う前、毎週月曜日になると腹痛を起こすほど学校にストレスを感じていたIさんは、今ではまったくの別人で、教育者という立場から、問題のない世界をつくるこのシステムを伝えています。そして、彼女の変化と同時に、彼女の見ている世界も変化しているのです。

最後に、Iさんからいただいたメッセージをご紹介させていただきます。

「私はミロスに出合い、本当に自分の人生がこれほどまで面白い事に満ちていたとは思いもしませんでした。仕事も以前とは全く違う感覚でさせてもらっています。そして、これからの自分の人生にとてもワクワクしています。感謝でいっぱいです」

(終わり)

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