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ストーカー被害を防ぐために知っておくべきシステム【前半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.57


Introduction

今回は読者からのリクエストにお応えして、ストーカー被害を防ぐにはどうすればよいかについてお伝えします。

一般的に最も多いストーカー被害は、恋愛の果ての復讐型ストーカーで、被害者は90%が女性です。交際中または過去に交際していた男性からのストーカー行為に怯える女性からの被害届があとを絶たないわけですが、すべては『関係性のシステムを知らないために取り込まれたトリックの中』で起きているのです。

これからお伝えすることは、ご家族や身近な人が実際に被害に遭われた方にとっては受け入れがたい話かもしれません。しかし、この世に “たまたま” “偶然” “運が悪かった” というものはないことをご理解いただきたいのです。

そして何よりも、関係性のシステムの理解こそが “自身とご家族の安全” につながると同時に、被害者も加害者もつくらない世の中を実現することができるのです。

『ストーカー被害を防ぐために知っておくべきシステム』【前半】

すべて関係性のシステム

加害者と被害者はまったく別のもの — それが世間一般の認識です。テレビのニュースでも、加害者の人物像や犯罪にいたった背景、自分勝手な動機が取り沙汰され、加害者は悪者、被害者は犠牲者として報道されます。

しかし、すべては双方向で成り立っている関係性です。どんなに陰惨な事件であっても、“被害者と加害者の中に潜むものの関係性” のために両者は引き合い、出会っているのです。この事実は “関係性のシステム” の中で明かされていきます。怖い話かもしれませんが、両者が出会ったときから、すでに事件へのカウントダウンは始まっていたということです。

それでは、ストーカー被害で最も多い、“恋愛・復讐型” の実例を用いて、当事者の二人がどんなトリックに取り込まれていたのかについて触れていきたいと思います。

ダブル不倫から発展したストーカー事件の例

あるストーカー事件が起りました。被害者女性(A子)と加害者の男性(B男)は、A子が勤務する部署にB男が配属されたことで知り合います。

ある日、仕事帰りで一緒になり、プライベートな話題になりました。そして、ついついA子がB男に結婚生活への不満をこぼしたことから二人は急接近していきます。

B男も既婚者であったことから、世間でいう “ダブル不倫” の関係が始まったのです。秘められた恋ということもあり、二人の関係性は一気に盛り上がり、互いに離婚して結婚する約束までします。

態度が急変し……

ところが、実際にA子の離婚が成立した頃から、二人の関係は次第におかしくなっていきます。それまでA子に対して紳士的な態度をとっていたB男が急に支配的になり、A子を自分のいいなりにしようとするのです。

初めのうち、A子はB男の存在なしでは生きられないと思うほど依存していたため、無理なことを言われてもそれをおかしいとも思わず、期待に応えようとしていました。

しかし、次第に自分がB男に合わせてばかりいることに不満が募っていき、これまで理想の男性に思えていたB男の欠点が目につきだします。自己中心的な自己愛の強さ、うまくいかないときに見せる相手への攻撃性と執念深さ、物事への強烈な執着心 — B男の異常さに気づきはじめたA子は急速に醒めていきました。

監禁のショックからパニック障害に

一方、B男は、それまで自分に尽くしてくれていたA子の急な変化にとまどい、「他に男ができたんじゃないか…」と、いろんな妄想に取りつかれます。そして、自分の思い通りにならないA子に対して怒りが膨れ上がっていったのです。

ある日、ついにA子が別れ話を切り出しました。その途端にB男は豹変し、A子はそのまま監禁されてしまいます。刃物を突き付けられ、殺すぞと脅され、これから一生自分のいいなりになれと無理やり約束させられたのです。数時間後には解放されましたが、一日のうちに何十回とかかってくる無言電話や、A子の友人や知人への中傷電話にその後も悩まされます。

また、監禁されたときの精神的ショックから、常に監視されているような気配に怯え、一歩も外へ出られなくなりました。テレビで自分と同じような男女間の事件を見聞きするだけでフラッシュバックを起こし、パニック障害に苦しむ日々が続いたのです。

同様の関係性に陥らないために

しかし、監禁状態から解放された直後に警察に被害届けを出していたことや、無言電話の履歴を事細かくメモで残していたことがストーカー行為の証拠になり、警察からB男に厳重な禁止命令が出されたことで、B男のストーカー行為は終わりました。

幸いにも、ニュースで報道されるような大事件には発展しませんでした。ですが、B男との関係性が終わったからといって、安心はできません。なぜなら、A子とB男が引き合い、出会い、このような事件が起こったのは、本人たちの表層意識を動かしている、“水面下に潜む無自覚の自分” が原因だからです。

冒頭で、“被害者と加害者の中に潜むものの関係性” で両者は引き合い、出会っていると述べました。それが “無自覚な自分がつくりだす関係性” です。B男との関係性が終わったからといって、A子の中にある “無自覚な自分” が消えたわけではありません。この時点では、A子はまだ関係性のトリックの中にいます。そこから抜け出さない限り、また同様の関係性に陥りかねないのです。

では、A子とB男が引き合った “無自覚な自分” とはいったい何なのでしょうか?

(シリーズ後半へつづく)

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