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ストレスを解放し、教師が教師として活躍できるように

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.236


Introduction

ストレスが溜まる職業の上位にくる“学校教師”。健康問題で休職や退職を余儀なくされる方の数も年々増加しています。

学級運営以外に教師同士の人間関係に気を遣い、いじめや不登校だけでなく生徒同士の揉め事の解決まで求められ、近年よく聞くようになったモンスターペアレントへの対応など、その労働環境は非常に厳しいものになっています。

夢や期待を胸に教師になっても現実とのギャップに悩み、生徒とどう向き合ったらよいかわからなくなってしまう教師も多いと聞きます。

今回ご紹介する実証例のIさん(女性 40代 沖縄県)もその一人でした。20年も高校教師として教鞭をとりながら、教壇に立つのが怖くて仕方なかったと言う彼女が、ミロスシステムに出合いどう変化していったのか、その様子をお伝えします。

『ストレスを解放し、教師が教師として活躍できるように』

学校へ行くのがストレス

毎週月曜日がくるたびに、緊張感からお腹を下すほどIさんは学校へ行くのが憂鬱でした。教師を20年も続けていながら生徒の前で話すことが苦手な彼女にとって、アドリブで何かを話さなくてはならない月曜の朝のホームルームは何よりも苦痛で、子どもたちの表情や反応に逃げ出したい気持ちでいっぱいになってしまうのです。

常にそんな状態ですから、彼女の周りに寄って来る生徒はいません。本当はみんなと仲良くしたい、楽しいクラスにしたいと思っているのに、どうしていいのかわからないIさんは、いつも子どもたちに囲まれている先生が羨ましくてなりませんでした。

教師という仕事に夢ややる気を感じられず、ただ激務に追われ、その上、いじめや不登校への対応や保護者からのバッシング対応など、いろんな事に神経をすり減らし、退職という二文字が頭をよぎることもありました。

“ミロスシステム”との出合い

しかし、そんな教師生活が、“ミロスシステム”に出合い大きく変わっていったのです。

きっかけは、Iさんの娘が小学校からもらってきた「いじめSTOP!」という講演会チラシでした。

講演内容は、今まで彼女が聴いてきた“いじめの話”とは全く違い、いじめには“方程式”があり、自分を否定する者同士が引き合い、出会い、片方はいじめる側に、もう片方はいじめられる側となり“いじめ”という関係性が成立するという話でした。

誰が悪いわけでもなく、人間が“自分を愛せない仕組みの中にいる”ことが本当の原因であり、いじめは“自分いじめ”から生まれるという話に衝撃を受けました。そして、テーマはいじめでも、その方程式が自分の生き方そのものに当てはまると感じた時、彼女の中で何かが緩みました。

「やっぱりそうだったのか…すべては自分だったのか!」

今までストレスを感じていた世界も、実は自分の内面意識がつくり出していることを彼女は掴んだのです。これがIさんとミロスシステムの出合いでした。

生徒との関係が変わった

次の日、学校へ行く時には緊張感や不安はなく、Iさんの周りに自然と生徒が集まり出しました。その日から話しかけてくる子どもが一人、二人と増えていき、たわいもない話で盛り上がり放課後までおしゃべりが続く日もありました。

今まで一人も寄り付かなったのに、ここまで変わってしまう凄さに彼女は唯々驚くばかりでした。そして、ミロスシステムを本格的に学びだし、新しい体験を重ねるごとに教師という職業の面白さも深みを増していったのです。

散々な結果になった授業

昨年の夏休みには、彼女の生き方を大きく変えるような体験をしました。

夏休み中の夏期講座で、“選抜クラス”と呼ばれる優秀な生徒を担当することになったIさんは、生徒にバカにされないように何日も前から周到に準備をしはじめました。教師として当然のことだと思っている彼女は、まさかこれが自分のパターンだとは思いもしません。徹底して何度も何度も確認し、授業を構築しました。

そして迎えた夏期講座の初日。教室へ向かう途中、気分が悪くなるほどIさんは緊張していました。

「あれだけ準備したのだから、大丈夫」

そう言って不安をかき消し授業に臨みましたが、緊張で声も身体も震えていました。

目の前の生徒たちは騒がしく、注意しても言う事をきいてくれません。だんだんヒステリックになっていくIさんを嘲笑うかのような視線と、心配そうに見つめる子どもの視線に、完全に自分のペースを失い授業は散々なものになってしまいました。

「なんなのよ!あの子たちは。やる気のないヤツは受けなくていい!」

職員室に戻るや否や、Iさんは怒りながら他の教師に訴え、初日からこんな有様では講座最終日まで持ちこたえられないと、気分も落ち込みました。

しかし、ミロスのカリキュラムを受けたことで、このピンチがストレスを生み出す彼女の思考パターンを紐解く体験に変わっていったのです。

生き方のパターンを紐解く

頑張って準備をしたIさんに対して、バカにするような態度をとる生徒たち。この関係性をミロスシステムに当てはめると、自分をバカにしているのは他でもない彼女自身であり、自分をバカにしているから“相手からバカにされた”と感じてしまうことや、実際に屈辱的な出来事を繰り返してしまうメカニズムまでわかりました。

「生徒にバカにされないように…」と頑張ってきましたが、実は“私は能力がないのだ”と自分をバカにして、「もっと努力しなければ…」と自分を追い込み、ストレスを与えていたのです。

また、Iさんはいつ頃からかよくこんなことを考えるようにもなっていました。「大した能力もないのに、こんな私がよく教師なんかしているよな…」無意識に頭の中でつぶやいていた言葉がどれだけ自分を陥れ、人生の足をひっぱっていたかを知った時は本当にショックだったと言います。

ストレスは生き方を修正するシグナル

まさか、今までの努力が自己否定を補うためのものだったとは思いもしませんでしたが、本当に愚かで無意味な生き方をしていた自分が見えたことで、Iさんはその生き方から抜け出すことができたのです。

それ以来、ストレスは生き方を修正するためのシグナルに変わり、いつでもリセットできるしなやかさを身につけた彼女は、相手を変えようとすることもなく、誰とも闘わずにスムーズに学級運営ができるようになりました。

教師という職業に感謝が湧く

何よりも、ミロスシステムに出合い目の前の世界を通して身についた余計なものを外し、本当の自分を知っていくことで「人間のありのままの美しさ」を体感できたことが大きな収穫であり、「そのままでいいんだよ」「大丈夫だよ」と心からそう思い子どもたちに接せられることが嬉しく、人間を育てる職業を選んだことによって、子どもと共に自分も成長できることに感謝が湧くのでした。

「今日もあの子たちに会える!」そう思うと毎日わくわくするというIさん。こわごわ教室のドアを開けていた教師は、もうどこにも存在していません。

いかがでしたでしょうか。今、国をあげて学校教育の様々な課題に取り組んでいる中、今回の実証例が教育現場で働く教師や教員の方々に少しでもお役立てていただければ幸いです。

(終わり)

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