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ステップファミリー 関係性のカラクリを解き、苦悩の連鎖を断ち切る

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.268


Introduction

今や3組に1組が離婚し、4組に1組が再婚する時代。子連れでの再婚も増えており、最近では、子連れ再婚家庭のことを“ステップファミリー”と呼ぶようになってきました。少し前までは、子どもの気持ちや後々のトラブルを考え、恋愛や再婚を躊躇する人はたくさんいましたが、今の時代は前向きに新しい人生をスタートさせようとする人が増えているようです。

しかし、初婚同士の夫婦のように親密な絆を築いていく中で子どもが生まれるというプロセスとは違い、血のつながりのない親と子が家族になるため、様々な悩みや問題も出てきます。せっかく新しい人生をスタートさせたのですから、しっかりと幸せに結びつくように、今回の実証例がヒントになれば幸いです。

これからご紹介するのは、先祖代々、離婚や死別、再婚というドラマの中で繰り返されてきた複雑な人間関係をミロスシステムで紐解き、苦悩の連鎖を断ち切ったある女性(Yさん 40代 東京都)の体験です。

『ステップファミリー 関係性のカラクリを解き、苦悩の連鎖を断ち切る』

幼い頃に母が再婚

2歳の時に両親が離婚し、母方の祖父母の家で暮らしていたYさんは、周りの大人たちの愛情を一身に受け、何不自由ない生活を送っていました。しかし、7歳の時に母が再婚することになり、その幸せな日々は一変します。

新しい父への違和感と、新しい生活への不安から、再婚をした母に不信感すら覚えるようになりました。そして、彼女が9歳の時。継父と母の間に男の子が生まれると、「実の子の方が可愛いに決まっている。私はいらない子なのだ」と思うようになり、ますます心を閉ざしていきました。

そして、いつ頃からか母も継父のことを悪く言い出し、Yさんは、自分と母を不幸にした継父を強く憎むようになりました。

代々続く複雑な家庭環境

実はYさんの家系は、代々、離婚や死別で夫婦が別れるケースが多く、連れ子再婚も珍しくありませんでした。

「どうしてうちは普通じゃないのだろう。絶対に間違っている、正しくない」と、複雑な家庭環境を否定し、「私は絶対にそんな家庭にはしない」と、彼女は心に決めていました。

しかし、大人になり、結婚を意識する男性と出会い婚約もしましたが、結婚には至らず、二人の間に授かった子どももあきらめることになり、Yさんは、結婚に夢も希望も持てなくなってしまったのです。

弟の結婚

それから幾年月が過ぎ、今度は弟が離婚経験のある子連れの女性と結婚すると言い出しました。Yさんは、また不幸な家族が生まれると思い、抵抗感でいっぱいでした。母も、自分たち夫婦のような苦労はさせたくないと猛反対でした。

それでも、弟は周囲の反対を押し切り、自分の子を彼女が妊娠したことを機に結婚します。Yさんは、義妹の連れ子(娘)と自分の子ども時代の境遇が重なり、さらに抵抗感が増していきました。

ただ、Yさんは、もうその頃にはミロスシステムに出合い、人間関係の仕組みやトリックを学び出していました。そのシステムの理解が、このあと、彼女の中に大きな変化をもたらすのです。

負の連鎖からの解放

弟の家庭は、Yさんが心配した通りになっていきました。弟の継子となった4歳の娘が、保育園で問題行動を起こすようになったのです。どうすることもできずに泣いてばかりいる義妹。妊娠中ということもあり、弟は母に相談していました。

そして、その話を聞いて、Yさんから出てきた言葉が、“関係性の負の連鎖”から自分自身を解放していくきっかけになったのです。

「私にはあの子の気持ちがわかる!自分がここに居てもいいのか不安なのよ。お父さんや、お母さんのことが嫌いなわけじゃない。一緒にいたい。ただ新しい環境に不安なだけなの!」

話し終わり、一番驚いていたのはYさん自身でしたが、自分の本当の想いを聴けたことで、何十年も胸の奥につかえていたものから解放されたのです。

継父や母の愛を受け取れた

そして、弟家族を通して、当時の継父の気持ちも感じることができました。連れ子がいようと関係なく母との結婚を決めてくれたこと。本当は、実子も継子も関係なく愛してくれていたこと。勝手に“いらない子”だと思い込み、孤独を抱えて生きていましたが、自分の思い込みがつくり出した世界に閉じこもり、継父の愛をまったく受け取ることができなかったことにも気づくことができました。

きっと父も、娘(Yさん)から拒絶され、近づけない寂しさや、血のつながった妻と娘の間に入り込めないことで孤独を感じていたのではないでしょうか。

また、妊娠中の嫁に変わり孫娘の保育園の送り迎えや、身の回りの世話をしている母の姿に、子ども時代の自分と母の姿が重なり、取りこぼしていた母の愛を取り戻すこともできました。

Yさん自身も、血のつながりがある、ないに関わらず、姪(連れ子)も甥(弟の実子)も、どちらも愛おしく思えることに心が癒されました。

“愛の連鎖”でつながるステップファミリーへ

ミロスシステムに出合い、関係性の仕組みとトリックを理解したことで、各々の内面の傷や思い込みが重なり、人間関係に負の連鎖を生み出していたことがわかりました。

そして、不幸だと思っていた家庭の中に“愛”を見つけたことで、ステップファミリーという関係性も、男性のとてつもない大きな愛と、女性の育む深い愛によって継承されてきた“愛の連鎖”に変わってしまったのです。

こうして、代々、家系に繰り返されてきた負の連鎖は、Yさんの代で終わりを迎えました。姪もすっかり落ち着き、問題行動もなくなりました。長い間、バラバラだった家族も一つにまとまり、今、Yさんたちは、血のつながりという壁を超えて、深い絆を築いています。

(終わり)

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