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お金につきまとう無意識の自我をリセット 感謝と喜びの循環に還る

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.151


Introduction

ある銀行が20~40代のビジネスパーソンを対象に行った意識調査によると、日本人の8割が目的なく念のために貯蓄をし、4割は人生設計を具体的に考えたことがなく、9割以上が将来のお金について不安を持っているという結果がでました。つまり、日本人は、具体的な貯蓄目的や人生設計もなく、将来に悲観的だということです。

この調査結果から、日本人のお金との付き合い方の問題が見て取れますが、これは、この国の経済が活性化しない大きな要因のひとつではないでしょうか。

今回ご紹介する実証例のNさん(男性・20代)も、特に目的もなく、生活の安定のために大学時代からできるだけ節約し、コツコツ貯金をしていました。しかし、社会人になり初めてお金の悩みに直面し、自分とお金の関係性に浮上する“無意識の自我”を発見したことで、お金に対する誤った情報が思考からリセットされ、本来のお金の循環システムを体験できるようになったのです。

お金は自分の中に隠した不安や恐怖を最も浮上させるものの一つであり、お金との関係性は人間関係や異性との関係性にも色濃く表れます。自分がどのようにお金を使い、そして、お金を使ったあとにどんな気持ちになるか、また、お金に対してどんなイメージを持っているのか…。普段、あまり考えることはありませんが、一度きちんと見直してみてはどうでしょうか。

『お金につきまとう無意識の自我をリセット 感謝と喜びの循環に還る』

お金が減るのは嫌だ!

大学時代は親からの仕送りで生活し、アルバイト代は自分の自由に使い、コツコツ貯金もしていたNさん。特にお金に困ったこともなく、逆に学生にしてみればまとまった銀行預金も持っていました。

しかし、就職が決まり、引っ越しや新生活の準備で出費が重なり、預金額が“減った”ことに、彼はかすかな不安を感じていました。

そこへ、Nさんが楽しみにしていた“ある講座”の案内が届いたのです。待ちに待った講座です。本来なら喜んで申し込むところですが、彼はその受講代金を見て思わず躊躇したのです。

「貯金が無くなるのは嫌だ。お金が無くなることだけは無理だ…」

強烈な恐怖が・・・

受講料については、以前から知っていた金額であり、あらかじめ彼は必要なお金として確保していたにもかかわらず、それを支払うと貯金がゼロになってしまうことに、強烈に恐怖が湧いてきたのです。

締切日が迫るなか、すでに申し込みを済ませ、その話題で盛り上がる仲間たちを目の前に、彼はその場から自分の存在を消してしまいたくなるほどでした。感情にのみこまれ、客観的に現状を見ることができず、気分は落ち込む一方だったのです。

お金に映る無意識

そして、とうとう明日が締切日という日、ミロスシステムを学んでいた彼は、ようやく気持ちを切り替えることができました。受講するか、しないかは別として、客観的に、この状況に映る自分の無意識を注意深く観ていくことにしたのです。

常に“減る”という感覚でお金を払っていること。安心を得るために貯金していること。お金があれは安定を得られると思っていること。自分の欲しいもの、食べたい物、やりたいことを我慢して貯金してきたこと…等々。つまり、彼にとってお金は、安心度を表すバロメーターだったのです。

しかし、不安を埋めるための貯金は、どこまで貯めても安心感は得られません。逆に、貯めれば貯めるほど減る恐怖は増幅し、どんどん使えなくなり、知的好奇心の広がりや、様々な可能性の芽を摘んでしまうことにもなります。そして、無意識の不安が現実の世界に“反転”し、実際にお金を失ってしまうこともあるのです。

“親の金銭感覚”をコピーしている

今まで、お金の恐怖には“無縁”だと思っていた彼は、まさかこんなにもお金に対して恐怖を持っているとは思いもしませんでした。しかし、今までお金に苦労したことのない彼が、どうしてこれほどまで“恐怖”を持っていたのでしょうか。

実は我々の金銭感覚のほとんどは、“親の金銭感覚”によってつくられています。子供の頃から見ていた親のお金に対する感覚が無意識の中に刷り込まれており、コピーしたように親と同じお金の使い方をしているのです。

Nさんの両親も、生活に安心を得るため、また、安定した将来のために、ずっと貯金をしていたそうです。高額なものはもちろんのこと、本当に欲しい物、やりたいことを我慢して出費を押さえ質素な生活をしていました。そして、親が口癖のように言っていた言葉がありました。

「そんな高いもの…我慢しなさい」

びっくりしますが、親から言われ続けてきたその言葉を、今、彼は自分自身に対して言っているのです。

お金に対する誤った情報のリセット

親のお金の使い方や価値観を見て、自分の中にお金に対する恐怖が生まれ、何度も何度も思考に刷り込まれていくうちに、それは彼の金銭感覚になり、親から何度も言われ続けた言葉が、呪縛のように彼を縛っていたのです。そして、お金に映し出されていた無意識の自我が、彼の人生をも不自由にしていたのです。

こうして、得体のしれない恐怖の正体と、親から自分に引き継がれたお金のパターンを目撃した彼に、もう不安はありませんでした。今回お金に感じた“恐怖”は、もともと自分が持っていた“不安”や“恐怖”を親に映し見てつくり上げた“幻想の恐怖”だということも分かり、すっかりNさんの思考から、お金に対する誤った情報はリセットされてしまったのです。

新しい情報を受け取る

すると、再び、本当にしたいことへの情熱が沸々と湧き起ってきたのです。あらためて、自分が本当にやりたいことを確認した彼は、喜んで受講代金を支払いました。それは、今まで体験したことのない“エネルギーを持ったお金”を感じた体験でした。貯金はなくなりましたが、満足感と嬉しさや感謝で清々しい気分でした。

そして、“外側の世界と自分の内面は等しい”と観る感覚を取り戻したNさんは、まるで自分とは別世界だと思っていた人にお金の体験や感覚を聴いてみたのです。

仕事でもプライベートでも自分に必要なものを必要な時に買い、支払った金額を上回る費用があとから入ってくる…。その様子をいつも羨ましく思っていましたが、「これも僕の中にある情報だ」と受け取ってしまったのです。

思いもよらない出来事が・・・!

すると、Nさんに、思いも寄らない出来事が起きたのです。

後日、通帳を記入しに行くと、なんと、無いはずの預金残高に、支払った講座代金を上回る金額が印字されたのです。後から、両親が就職祝いにお金を送ってくれたことがわかり、親の愛に感謝でいっぱいになりました。

Nさんは、今、全力で自分のやりたいことをやり、活力あふれる毎日を送っています。

(終わり)

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